2024.04.19

【挑戦】”誰もが暮らしやすい社会”へ…静岡・掛川市の女子高生が企画!バリアフリー考えるイベント

ニュース 誰もが暮らしやすい社会を実現したい!と、これまでさまざまな方法で社会に思いを伝えてきた静岡・掛川市の高校生 佐野夢果さん。この春の挑戦を追いました。

誰もが暮らしやすい社会を実現したい!と、これまでさまざまな方法で社会に思いを伝えてきた静岡・掛川市の高校生 佐野夢果さん。この春の挑戦を追いました。

4月7日、浜松市の中心街でバリアフリーについて考えるイベントが開催されました。普段車いすに乗ったことがない人が車いすで散策して、街中のバリアフリーを感じようというもので、企画したのは掛川市の高校3年生佐野夢果さんです。

(佐野 夢果さん)
「いろいろな年代の人がいるいろいろな気づきが生み出され ると思う」

夢果さんは、障がいがある人など”誰もが当たり前に生きやすい社会”をつくりたいと思い、学生生活の傍ら地元掛川や東京などでイベントを開催するなどして活動しています。この活動を始めたきっかけには高校受験での体験があります。

夢果さんは2歳半ごろ、手足の力が弱くなる脊髄性筋萎縮症という進行性の難病と診断され、小学1年生のころから車いすの生活を送っています。小さなころから好奇心旺盛でチャレンジすることが大好きだったという夢果さんですが、高校受験の時に大きな壁に直面したのです。

(佐野 夢果さん)
「周りが部活これいいよね。制服がかわいいからここにしようと高校受験の話をしている中で、自分はエレベーターとかそういうことでしか高校を選べない。障害があるだけでこんなに社会って選択肢が少ないのかって、世間から受け入れられていないなと感じた。この先もし障害をもって生まれた子がいたら、これ以上こんな思いをする人がいてはだめだと自分の中でギアがかかった」

この体験をきっかけに活動を始めた夢果さん。高校1年生の時には、障がいや性別などを超え様々な個性を表現したカラフルスライムズというキャラクターを生み出し、今では地元のお店での販売のほかジュビロ磐田のオリジナルギフトに採用されています。さらに高校2年生では、地元企業や掛川市からのバックアップのもと、車いすに乗って掛川の街中でごみ拾いをするバリアフリーイベント「車いすスポーツごみ拾い大会」を開催。60人以上が参加し大成功となりました。

そして、4月7日にも浜松市で新イベントを開催しました。今回のテーマは「車いすでの街散策と演劇」です。

(「車いすでの街散策と演劇」の様子)
「はじまりはじまり~」

「赤ずきん」の童話を題材に夢果さんが作り上げたオリジナルストーリーをもとに、地元大学生たちが街中のいたるところで困っている人を演じます。

(イベントの様子)
「いってらっしゃ~い!いってきま~す」

参加者は車いすに乗って街を散策しながら、困っている人に声をかけて助けていくというものです。車いすに初めて乗るという参加者も多く街を散策するだけでも一苦労…。

(参加者)
「あぁ~うぅ~あぁ~うぅ~」「~ここもやっぱ大変なんだ」「あぁ~ああ~」

スロープに差し掛かると…。

(参加者)
「こっち危ない戻ろう」「おーぎりぎり」「危ない危ない」「反対にして降りなきゃいけない」「これは難しいよ」

一方、こちらの参加者は…。

(参加者)
「なるほどねなるほどね、私もやる~あれあれ…」

(参加者)
「店の中も車いすだと身動きが取れない、広いお店じゃないと入れないのかなと」

そして困っている人を見つけたら…。

(参加者)
「困ってますか?」

「困っています、ペンギンですけど空を飛びたいんです」

「車いすに乗って動いたら飛んだ気分になれますよ」

「足が浮いているのに動いている」



参加者はちょっとした声掛けの大切さや普段見えなかった街中の小さな障がいを楽しみながら気づくことができたようです。

(参加者)
「最初は楽しんで子供も乗っていたけれど目線が低い分、車が来た時に対面になった時に怖かったみたいで、私たちが見ている視線と車いすの視線がずいぶん違うことがわかった」「買い物するところに届かなくて大変だった 車いすだと」

夢果さんは多くの気づきが社会を変える第一歩になると話します。

(佐野 夢果さん)
「何かを得ようとして得た学びや気づきも大切だけど、楽しみながらふとした瞬間に生まれた気づきが生活に根付くと思う。自分の気づき以外にもほかの人の気づきを聞いて気づきが広がった瞬間を見られたこういった空間や場所を作っていきたい」

”誰もが暮らしやすい社会”に向けて、また一つ思いの輪が広がったかもしれません。

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