週末に行われた全国高校サッカー選手権静岡県大会準決勝。
第一試合は、浜松開誠館対磐田東のカードでした。前半は両者譲らず0-0で折り返し、迎えた後半4分。拮抗した試合は目の覚めるような1点で動きました。開誠館のDF水谷がゴールに突き刺すような豪快なミドルシュートを放ち先制すると、後半22分にはMF岡田が追加点。開誠館は夏の総体に続く、県2冠に王手をかけました。結果としては開誠館が勝利となりましたが、90分間を通して両チームのスタイルを存分に発揮した見ごたえのある試合でした。
そして続く第二試合は、静岡学園対藤枝東の名門対決。試合は延長戦へともつれ込み、それでも勝敗が付かずPK戦へ。『意地と意地がぶつかり合う』という表現を見聞きすることは多々ありますが、実際に目の当たりにして、心の底から「両チーム、1人1人、全員の意地のぶつかり合い」を感じたのは初めてでした。それほどまでに試合を観る人の心を熱くさせた試合。特に私が心を動かされた瞬間は「PK戦が始まる前に、静学GK有竹選手と藤枝東GK宮崎選手が、がっちりと握手を交わしていた瞬間」です。県選手権決勝という舞台、全国高校選手県という舞台を目指すライバルであるはずなのに、その瞬間だけは不思議と同じ舞台を戦う戦友のようにも見えました。そして藤枝東の最後の5人目のキッカーとして宮崎選手が出てきたときは、鳥肌が止まりませんでした。差し込む西日も相まってドラマのワンシーンのようにもみえるこの一瞬に、これまでのサッカー人生の全てをかけるそのひたむきな姿を見た時、やっぱり高校サッカーっていいな、スポーツっていいな!と改めて強く感じました。そんな青春がギュッと詰まった高校サッカー静岡県選手権もいよいよ来週決勝戦を迎えます。決勝は夏の総体決勝と同じカード。浜松開誠館が夏に続き県2冠を達成するのか、それとも藤枝東が夏の借りを返すのか、どちらが全国への切符を手にするのか楽しみです!
岩本 美蘭

