森町には、その町の規模から考えると驚くほど和菓子屋さんが多い。 町を歩いていると「あ、ここにも。あれ、あっちにも!」なんて感じで、お菓子屋さんの看板があることに気がつくだろう。 お茶の産地であり、小京都として茶道文化が盛んそう、それに加え、お寺や神社などが多いということも影響しているのではないだろうか。 町内に10軒ほどあるという和菓子屋さんの中で、岩本さんが紹介してくださったのは「中島屋」さん。 「“森の衆”って面白いネーミングの、シュークリームがオススメ!」 和菓子屋さんなのに、オススメはシュークリーム!? でも食べて納得。 カリッカリの窯だしのシュー生地の中に、注文を受けてからたっぷりクリームを入れてくれる森の衆は、また食べたい!誰かに教えたい!好きな人に食べさせてあげたい!と思えるもの。 残念ながら、このカリカリさは時間限定で、賞味期限1時間程度。ぜひぜひその場でほおばってほしい。 この場所に移転してまだ2年。 ピカピカの店内だが、お店は創業80年以上だという。 シュークリームを始め、お店の中には洋菓子メニューも多い。 三代目を継いだ若旦那、基(もとき)さんが作り出す、可愛らしいお菓子たちにはファンも多い。オジャマしたこの日も、老若男女が次々にお店を訪れていた。
新栗むしようかん 1本 850円 森町名産の栗が、たっぷり入ったこの時期ならではの名物。 梅衣同様、町内のどこのお店でもこの時期店頭に並ぶが、やはりお店によって全然違う。 中島屋さんのものは、ネットリ感がまるでういろうのよう。 甘さもアッサリしているので、1人でペロリと1本食べられてしまいそう。 う〜ん、ある意味“困った”美味しさだ。
□菓子司 中島屋 森町森1555−2 TEL 0538−85−2310 営業時間 8時〜19時 定休日 水曜日 http://nakajimaya.hamazo.tv/
「お土産っていえるか分からないけど、もう1軒、紹介したいところがあるの。」 と、岩本さん。聞けば岩本家がお野菜を買っている農園だという。 無農薬・減農薬で野菜を作っているから安心して食べられる。 そこの野菜を食べるようになって、自分や家族も元気になったし、それまで以上に健康や、農薬の害や、環境についても考えるようになったと、熱心に、なんだか幸せそうな表情で話をしている彼女を見ていたら、私もどうしても会いたくなり、オジャマさせていただいた。 「朝比奈農園」さんは、森町では中規模、専業農家としては狭いほうだという3ヘクタールの土地で、レタス・お茶・米作をメインに、無農薬農法で作物を作っている。(ただし、無農薬の定義は複雑かつ厳しいので、正式には減農薬とか、低農薬とかのカテゴリに入るものもあるそうだが。) ご主人の朝比奈宗弘さんは、自然食品を扱う会社でサラリーマンをされていた経験を持つ。定年を迎えたら、実家の森町に戻り、農業をのんびりと継ぐつもりでいたそうだが、お子さんを育てる過程で専業農家に転向。 「日本の食べ物の自給率が3割を切ったというニュースを見て、このままでいいのかしらと思ったのが最初のきっかけ。 それにね、こどもを育てているのに、それまでそれほど食べ物の安全性について考えていなかったの。せっかく農業をできる環境に自分たちはいるのだから、愛する家族のために安心できる作物を、食べ物を食卓に登らせたいって。そこが我が家の原点です。」
そう話してくださったのは奥様の恭子さん。 もちろん、自然食品関係の会社に勤務していたので、我々の感覚よりは意識は高かったとは思うのだが、お子さんが生まれ、子育てをする過程で、より深く考えるようになったという。 ゆったりと優しい口調でお話いただき、もうそれだけで私は癒されてしまった。 オジャマした時期はいちじくの収穫が盛ん。 「食べてみます?」と出していただいたいちじくは、スーパーで売っているものとは色が全然違う。 青い部分などどこにもなく、ほとんど紫に近いような熟した色。 鼻を近づければホワッと優しい花のような蜜のような香りがする。触れれば壊れてしまいそうな柔らかさにも驚きだ。 食べてみた。 農薬を使っていないから、安心して皮ごと食べられるということなので、そのままかぶりつく。 「なんですか、コレッ!?」 あまりの甘さ、美味しさに、素っ頓狂な声をあげてしまった・・・。 いちじくに蜜があるなんて、今まで知らなかった。いちじくがこんなに美味しい果物だったなんて、今まで思いもしなかった。 今まで食べたてきたいちじくは、一体なんだったんだろう。 スーパーなどで売られているいちじくのほとんどは、熟する前に摘んでしまい、流通の過程で徐々に色が変わっていくものなのだそう。 つまり木で完熟したものではないのだ。 ところが朝比奈さんちのいちじくは、さっきのさっきまで、木になっていたもの。 木になっている時点で、食べごろを迎えた実を摘んで、売ってくれるのだから、美味しさの違いは歴然。 「お日様の恵みが美味しくしてくれるんですよ。もちろん水や大地、環境の全てが影響していますけどね。 私は何もしてません。無農薬・減農薬での農業だって、作物本来の治癒力とか生きる力に任せているだけ(笑)。」 と控えめにおっしゃる宗弘さん。 でも、農薬を使わないから雑草も生え放題だし、虫も発生する。それらをすべて手作業で取り除かなければならない。 朝比奈さんたちが手間ひまをかけてくれるからこそ、作物本来の力が活かされた美味しくて安全な作物が私達の食卓に届くのだ。
□朝比奈農園 森町谷中531 TEL 0538−85−3593 携帯 090−1821−8113 (お電話でのお問い合わせは、18時ごろまででお願いします。) 農業見学や農業体験も受付けてくれます。 いちじくや次郎柿、初夏にはとうもろこしなど、折々の季節の収穫物を個人にも販売もしていただける。谷中交差点近くに販売所もあるが、常にあるとは限らないのでお問い合わせを。
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本文中の値段はすべて税込み価格です。営業時間・価格など詳細はお店までお問い合わせください。 この情報は静岡第一テレビ情報サイト " IMADOKI " 2006年10月現在のものです。
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